2015/04/05


楽器の話で出てくる「ピッチは◯◯Hzで〜」とは?

音の高さを表す単位

長さを表すには“m(メートル)”、重さを表すには“g(グラム)”などを使いますが、音の高さにも単位があります。
それが“Hz(ヘルツ)”です。

1秒間に何回振動しているかを表していて、1Hz=1秒間に1回の振動、100Hz=1秒間に100回の振動となります。
数字が大きいほど音が高く、ピアノの一番低い音は27.5Hz、一番高い音は約4186Hzです。

“ピッチ”とは

“ピッチ”とは音の高さのことですが、ピアノの音程を表す際に「ピッチは◯◯Hzで〜」という言い方をします。
でもそれだけではどの音の高さ?ということになりますよね。
この場合の“ピッチ”は暗黙の了解で“基準ピッチ”のことを指していて、ピアノの調律の全ての音の基準となる、
下から49番目の【A】音を何Hzにするか、ということを言っています。

ピッチで変わるピアノの響き

49A音は基本的には440Hz〜442Hzで合わせます。
もちろん440Hzも442Hzも同じく【ラ】ですが、低めだと落ち着いた響きに、高めに合わせると華やかな響きになります。
これを基準に他の音の高さが自動的に決まりますので、49A音を何Hzで合わせるかによってそのまま全体の響きにも関わってきます。

ピッチの歴史

このようにピッチはピアノの響きを決める重要な要素ですが、時代とともに変わってきています。
バロック時代にはピッチはA=415Hzや425Hz、400Hz以下ということもあったようです。
※ちなみに415HzはA=440Hzの場合のG#の高さになりますので、半音低かったことになります。

より華やかな音色や大きな音が求められるようになったことや、楽器の進化によってピッチはだんだん高くなっていき、今では1939年に国際的に定められたA=440Hzがひとつの基準になっています。

ただ実際には今のオーケストラなどでは442Hzやそれ以上に合わせていることがほとんどで、実質の基準ピッチはさらに高くなってきています。

ピッチの選び方

それではご家庭のピアノではピッチいくつにすればいいのでしょうか?
ポイントは3つあります。

・お好み
・他の楽器とのバランス
・ピアノの状態

身も蓋もない言い方をしてしまえば、高めが好きか、低めが好きか、お好みで決めて頂いて結構です。
ただし、よく他の楽器と合わせる場合などにはその楽器との相性も考えなくてはなりません。
バイオリンなどは442Hzなどの高めのピッチのほうが響きが良い場合が多く、歌の方はさらに高い445Hzなどを好まれる方もいらっしゃいます。
もちろん楽器によってピッチが違うと演奏になりませんので、アンサンブルが多いピアノは他の楽器とのバランスを考える必要があります。

また、このピッチにしたい!と思っても、ピアノの状態によっては難しい場合もあります。
特に調律年数が空いていてピッチが大きく下がっている場合などは、急激に高いピッチに合わせるとピアノに負担がかかったり、弦が切れたり、狂いやすくなったりします。
その場合は調律を行うごとに徐々にピッチを上げていって目標のピッチに近づけていくのがオススメです。
ただ、古いピアノで弦や本体が高いピッチに耐えられないような場合もあるので注意が必要です。
またいたずらにピッチを変えることもピアノには負担になりますのでオススメしません。

その他には、温度湿度の影響を大きく受けて季節ごとにピッチが上がったり下がったりするピアノの場合。
高いピッチで合わせておくと・・・ある季節に高くなりすぎてしまったりその逆もあるので、
いだを取った中間のピッチにするのがベストな場合もあります。

ご希望がなくても大丈夫

ピッチはご指定があればなるべくご希望に沿えるように作業致します。
でも、特にご希望が無ければピアノの状態や環境に合わせて調律師がより良いピッチを選択します。
むしろご指定が無い場合のほうが多いので、「ピッチなんて選べない…」という方もご安心ください。


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